クォークで働く人たち
INTERVIEW
- 2017年中途入社
- PATORA 会長
井之上綾

クォークに入社し、美容という仕事を通して、私は自分自身と人を信じることができるようになりました。
私は学生時代、何一つ頑張りきることができない人間でした。小学生の頃までは、勉強や運動など何事にも精一杯取り組んでいましたが、中学一年生の時、担任との面談で「要領よくやっていく能力がないと社会では通用しない」と言われたことをきっかけに、何でもそこそこで取り組むようになっていきました。
大人になった今だからこそ当時の意味は理解できますが、当時の私は自分の生き方を否定されたように感じ、勉強も部活も人間関係も深く関わらず、「要領よく生きること」が賢い生き方だと思っていました。
今でいう「コスパ」「タイパ」を重視していたのだと思います。
そんな私の考えが変わったきっかけが、家族の病気と自身の離婚、そして転職という人生の転機でした。
結婚して一年ほど経った頃、妹が心身の不調で仕事を辞め、次第に日常生活も送れなくなっていきました。夜眠れず、昼はぼんやり過ごし、やがて家の中でもほとんど部屋から出られない状態が続きました。
家族関係も徐々に崩れ、両親の喧嘩や母からの電話が続く中で、私自身の生活も追い詰められていきました。夫はずっと寄り添ってくれていましたが、私は彼に迷惑をかけている自分を受け入れられず、次第に言葉さえ信じられなくなっていきました。
人との信頼関係は要領よく築けるものではないと痛感し、彼に向き合えない自分から逃げるように離婚。新卒から八年間勤めた会社も辞め、今の美容の仕事へ転職しました。

自分自身の何もかもに自信をなくしていた私は、「この先もう誰とも一緒に生きていくことはしない」と心に誓い、女一人でも生きていける技術職を求めてクォークに入社しました。
正直、最初はそこまで難しい仕事ではないだろうと思っていましたが、技術や知識を得るのは簡単ではなく、新人の頃は何度も挫折しそうになりました。
そのたびに先輩や上司が、「あと少しだよ」「絶対できるから」と声をかけ、仕事前後に練習に付き合ってくれました。
何もかもに自信を失っていた私は、最初は素直に感謝を伝えることもできませんでしたが、次第に「期待に応えたい」「目の前のことに一生懸命取り組もう」と思えるようになりました。
失敗した時も、一緒にどうしたらいいか考え、またチャレンジする機会を与えてもらいました。
そしてお客様から「出会えて良かった」「自分がこんなに変われると思わなかった」と言っていただけるようになり、少しずつ自分自身を信じられるようになっていきました。

今は会長という立場から、スタッフ育成や役職者のサポートに関わることも増えました。今でも失敗や挫折はありますが、チームで目標を達成する喜びや、人の成長を信じることの大切さを日々感じています。
その頃、妹にも大きな変化がありました。少しずつできることから始めた積み重ねの中で、二年前に社会復帰するまで回復することができました。あの頃は難しいと思っていた未来を、今は「きっと乗り越えられる」と信じられるようになっています。
そして私自身も、「誰とも人生を共にしない」と決めていた気持ちから変化し、今春に入籍をしました。
仕事はお金を稼ぐ手段という考え方もありますが、私はこの仕事を通して、誠実に自分と人に向き合い、信じることで人生は開けていくと実感しています。
ここで得た経験は、お金や地位以上に、私にとって大きな人生の財産になっています。
